子どもをめぐる環境は、いま大きな変化にさらされています。教育や子育てに関して、さまざまな処方箋が示されますが、その処方箋同士がまた相反し、混乱を生み出しています。それが、親や教員、ひいては子どもを追い詰めるという悪循環になっています。
これからの子どもの育ちを、何を基準とし、何を根拠とするかを思いめぐらす時、われわれは、国際法である子どもの権利条約以外にはない、と考えます。
子どもの権利条約は、1989年11月、国連総会において、満場一致で採択され、日本は、1994年に批准し、現在、世界で193ヶ国が締結しています。
この条約は、子どもが未来への希望を持ち、社会の構成員としての役割を果たせるように、世界の英知が結集された、子どもの育ちに関するグローバルスタンダード(国際基準)、共通の土台になっています。
日本においても、虐待、いじめなど、子どもをめぐる環境は、きわめて憂慮すべき状況にあります。更には、孤立感に悩み、意欲の持てない子どもの割合は、先進国でも突出して高いことが指摘されています。
この富山県では、14才の挑戦や、富山型デイサービスにおける子どもと大人の共生、「遊び」による子育て支援、農的体験を生かした子どもの自立支援など、子どもの持てる力を引き出す試みがさまざまになされてきました。また、射水市、魚津市では、子どもの権利条例(子ども条例)が制定され、射水市には、公設民営のセンターとしては全国で2番目の「射水市子どもの権利支援センターほっとスマイル」が設置されています。
そんな富山の地で、子どもの権利条約採択20周年の記念すべき年に、北陸では初の全国大会を下記の要領で開催することは、大きな意義があると思います。全国の先進的な取り組みに学び、同時に、富山の元気を発信することで、気持ちを同じくする子どもや大人がつながり、子どもの権利条約(権利条例)が真に生かされる社会をめざしたいと思っています。
多くの方々のご参集をお待ちしています。
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